seeds9

消費者インサイト

つい数日前ある商品を購入した。この文章を書くのに使用しているモバイルPC+通信用データカードである。そしてこの文章は朝、出勤前に立ち寄った喫茶店で書いている。少し時間があるので、何故この商品を購入するに至ったのか?を自分の体験を分析的になぞりながら、昨今流行のクロスメディアコミュニケーションに関する考察としてみたい。

Attention
そもそもはブログである。仕事上だけの付き合いのある人だけでなく、私的な付き合いのある人の中にも、かなりの方がブログサイトを持っていると薄々気づいていた。10数年前に一瞬WEBプロデューサーだった僕としては当然気になってたわけだが、自分でやってみる気にはなかなかなれなかった。しかしここに来て自分が日頃考えていることと、実際にやっていることの間の整合性・首尾一貫性が漠然と気になりだしたのだ。

直接のきっかけは裁判員制度だったりするのだが、その話題はまた別の機会に譲るが、一回自分の考えを客観的に俯瞰してみたい、整理してみたいと思うのと同時に、初老に差し掛かった自分の生きてきた痕跡をささやかに残しておきたいという相当恥ずかしい理由だったりした。

ただ仕事を終って自宅に帰ってから夫婦二人きりの短い時間をPCに向かって費やすのは嫌というか妻的にNGなわけで、必然的に家庭の外での作業になる。会社には仕事に使うPCは当然あるが昨今の情報セキュリティに関する規制強化の中で私用で使うなどもってのほか。そうなると持ち運びできるPCと通信手段が必要となるのは必然の流れ。

ネットカフェにも行く事はあるのだが、初めての店だと会員登録の煩わしさもあるし、打合わせで移動が多い仕事柄決まった店に行けるとも限らない。そこでモバイルPC+通信機器の組み合わせが一番合っていると思っていた。

最近はカフェとかでも無線LANが使える店も増えているが、それぞれプロバイダー契約が必要だったり、そのプロバイダーが違っていたりしてなかなか手が出なかった。私物のPCもあるのだがA4サイズでバッグの中に占める体積が大きすぎて、ここは少なくとB5サイズの<文章が作成できて><ネットに接続できる>だけの最小限の機能さえ賄えればそれで良し、という心積もり=ニーズは少し前にできていた。

Interest→Search
具体的なアクションに向けたきっかけは雑誌の記事が最初だった。USBを差し込むだけで面倒な設定も不要、プロバイダー契約も不要でネット接続ができるサービスの紹介記事を見たときに、これだ!と思った。早速そのメーカーのHPを読んでみたりもした。価格が高いのが少々難点と思ったが、候補であることは間違いなかった。

実はその時同時に簡易カーナビというものも欲しかったのだ。この2点が揃わないと腰を上げる事はなかったに違いない。

そこに数日前の新聞日曜版に機能限定・低価格モバイルPC特集があった事も大きい。これが実質的にアクションを起こさせたトリガーになった。

Action
その日はたまたま都内に用があり電車で移動中に「そうだ!今だ!」と思い最寄の駅で降りてXXXカメラに飛び込んだ。そしてPC売り場のモバイルPCコーナーで物色中に販促お姉ちゃんが微笑んだのだった。

その時までXモバイルが良いとか、このEEEPCの事など何も考えていなかったし、情報もまったくなかった。その時のインサイトは「とにかくいつでもどこでもネットに繋げられる簡易で高速な通信機器+小型PCが欲しい!」だけだった。

アテンションの前にニーズが先にあるのは当然だろう。ニーズに応えた商品・サービスを開発する事からマーケティングは始まるって事だな。今どき広告に踊らされて必要でもない商品・サービスを買ったりはしない、と言い切ろうと思ったが、そうでもないのかなあ。まだまだ消費者リテラシー?が低いと思わせる事例は少なくはないよね。

今回の決まり技
店頭(売場)プロモーション+インセンティブ+価格設定=購入決定
正直XモバイルのCM、広告は全く役にたっていなかった。広告と売場がまったく連動していないというか、商品(サービス)を前にしても、というか購入した後でも広告が想起されないってどうよ?俺は購入した後でXXXカメラを出る時に店の前でやっていたプロモーションを見て「ああ猿のCMやってる会社かあ」と思ったほど。

購入の決め手は、このB5サイズのPC=店頭価格5万数千円がXモバイルと契約すると、なんと1万800円ポッキリ!Xモバイルの契約は2年間の契約で途中に解約するとPCの償却残額が請求されるというもの。最低2980円で最高6880円までパケット従量課金。6880円が天井との事。とにかく初期投資額が低いことが魅力だった。Xモバイルがインセンティブ費用をどの程度使っているかは解らないが、これはかなり効果的なプロモーションだと思う。実際契約カウンターで手続きをしている間にも他に2名購入手続きに現れていた。


Share
ということで、結構お得(と感じている)な買い物は自慢したがるのは人の性。会社のネットPC担当に早速自慢。会社の備品で購入しようか、という話になる。実際社外でのPC使用+ネット接続のニーズは高いのだ。もちろんそういうニーズを抱えた奴に言う言う。何人かは即XXXカメラに走ったはずだ。

全体の流れを見て思うことは、売場に行くまではどのブランドを購入するのかは全く白紙で行っている事。特に家電などはそういう傾向が高いように思う。売場で販売員に相談というか情報を聞きながら最終的な決断に至る傾向が高い。こういう商品は店頭プロモーションが相当重要。後は価格戦略、インセンティブ戦略。最後のSHAREという過程を産むのはこの買った後のお得感が必須と感じたですよ。

以上ささやかな報告でした。

*この項、だいぶ前に書いていたのを投稿し忘れていたものを今日やっと投稿しましたとさ。


新しいプロモーショナル・マーケティングの理論では購買に至る起因は店頭にある。とするそうだ。ニーズの自覚、情報の収集は既に終えていても実際の店頭に至るまでそのニーズは購買行動に積極的には繋がらない、との事。今回の自分の行動はまさにその理論をなぞったような典型だったようだ。

プロモーションに於ける広告的アプローチ、PR的アプローチを比較すると受け皿が用意されている場合の後者のほうがより消費者としての主体的行動のように錯覚させているだけバイラルを生み易いのだろう。可処分所得が減りつつある時代では消費者はより賢い選択をした、という商品を所有した喜びと同じくらい賢い消費行動をした事に満足感を得るのはないだろうか。

いまの時代ニーズもしくはニーズの萌芽もないところに広告やプロモーションを投下する酔狂な広告主はいないだろうし、ブランドイメージだけで購買に至るようなヴォリュームがある層などない。

自分が接触した新聞というメディアと記事というコンテンツ(プロモーション枠と考えても良いのでは?)の組み合わせがインサイトを刺激したのだろう。




  1. 2008/11/01(土) 01:07:05|
  2. 未分類|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント(-)

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://seeds.dtiblog.com/tb.php/24-cada5747